【完全実話】悲劇!?ビンボー男が大金入りサイフを失くした結末!!
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※この出来事は2016年に起きた話です
それはよく晴れた穏やかな日曜日の出来事である。
あの忘れもしない悲劇が起こったのは。
ここでまず先に言っておくと、僕は念願のマイホームを購入し第1子(当時)の娘も誕生して幸せな生活を送る反面、住宅ローンや育児費用などを賄うため小遣いを月1万円に減らされ常にサイフの中身は3千円ほどしか入っていないビンボーパパである。
僕はもともと1人で街をぶらぶらするのが好きで、娘が産まれてからはなかなか1人での外出をしていなかった。
この日は久々に1人で買い物に行く事の許しを妻から得た。そう、妻の愛用している高級化粧品セットのお遣いを任されることを条件にね。妻の貯金から下ろした3万円を渡され、その金を買い替えたばかりの本革の長財布に入れ、久々の1人での外出に僕は心躍らせていた♪これから起こる悲劇のことなど知る由もなく。。。
僕「じゃあ〇〇ちゃん(娘の名前)のお世話任せちゃって悪いけど行ってくるね。なるべく早く帰るようにするから。」
妻「行ってらっしゃい。化粧品頼んだよー。この画像を店員さんに見せれば大丈夫だから。」
僕「オッケー!行ってきます。」
この日は自分の買い物の資金1万円プラス妻に託された化粧品代3万円の計4万円を入れた長財布をズボンの後ろのポケットにしまい家を出た。イケイケの兄ちゃんがよくお尻のポケットに長財布を入れている感じに。
そして妻とまだ付き合っていた頃よくデートで行っていた繁華街に電車で向かった。
電車に乗ること約10分。街に着くとまず有名な百貨店へ向かった。妻の化粧品もここで買う予定だ。
化粧品を先に買うとその後持ち歩くのに邪魔になるから最後に買おう。そう思ってまず僕の買い物をすることに。
最近まともに服も買ってないから今日は久々にちょい高めの服でも買うかなー。と思いながらメンズ服売り場を見て回ることにした。
たくさんのショップを見てまわったが、いざ服を買おうと思っても高めの服となるとなかなか決断できず、これだ!という服を見つけられず結局何も買わずに終わった。
「まぁなにも無理して今日買わなくても下見ということでいっか。」ということにして僕の買い物はここで終了。資金の1万円も残ったまま。
「さぁ次は頼まれた化粧品を買いに行くか。」
いよいよ化粧品を買いに行くことに。
化粧品売り場のフロアに着くとまずはフロアマップでその化粧品店の場所を確認した。
「現在地はここだから、あっちか!」
お店の前に着くと男1人で化粧品を買いにきた重圧からか急に腹痛が襲ってきた。
僕は父親の体質を受け継ぎ昔から腹は弱い方だった。
「う~ん、店員さんはちょうど全員接客中のようだし先にトイレに行こう。」
僕は近くのトイレに駆け込んだ。
「ラッキー。空いてる」運よく個室も空いていたのですかさず入りズボンを下ろし便座に座った。
ん?何か座りづらいな。
そうです。後ろのポケットに入っている長財布がズボンを下ろして座る際とても邪魔で座りづらいのです。
僕は向かって右端に設置してあるベビーチェアーに財布を置くことにした。
「ふぅ~。」僕はすっかり落ち着いてスマホゲームしちゃったりして用を済ませた。
個室を出ると、そこへすかさず1人のチャラチャラ系の20代後半から30代前半くらいの兄ちゃんが入った。
僕は再び化粧品店へ向かった。
トイレに近かったためすぐに店に着いた。おそらく1分も経っていなかっただろう。
「よし、店員さん接客終わってるな。」僕はお腹もスッキリしたこともあり清々しく声をかけた。
店員さん「いらっしゃいませ。」
僕「すいません。妻から頼まれたんですけどこの画像の商品下さい。」
店員さん「かしこまりました。ご用意しますので少々お待ちください。」
僕「はい」
こんなやり取りをして財布を取ろうと後ろのポケットに手をかけると・・・
「あれっ?ない・・・えっ?財布がない・・・。」
僕ははっと思い出した。
「オーノー!トイレの子ども椅子に置いたまま出てきてもうたー」
一気に顔面蒼白状態です。
僕「すいません。財布をトイレに置いてきちゃったので探してきます」
店員さん「わかりました。大丈夫ですか?」
店員さんも心配してくれました。
僕「まだそんなに時間経ってないので。また戻ってきます」
そう言ってダッシュでさっきのトイレに走って行った。
ここまでで恐らくまだ5~6分ほどしか経っていないだろう。
「きっとまだある」
そう信じていたが嫌な予感が頭をよぎる。
「俺の次に入った人、チャラそうな人だったよな。」
「いやいや人を見た目で判断しちゃダメだ。案外ああいう人の方が親切だったりするんだよね」
「だいたい置いた場所もベビーチェアーだから目につきにくい所だし」
そんな勝手な妄想をしながらトイレに到着。
「トイレのドアが開いている。よしっ誰も入ってないぞ」
時間もそんな経っていないし多分俺の次に入った人しかその後入っていないだろう。
一瞬差した希望の光を信じ個室に入る。
光は真っ黒な雲に遮られ一瞬で消えた。。。
「ない。ないよ。俺の財布がない・・・」
ベビーチェアーには見事なまでに綺麗に何もない。
僕は意味もなく便器の中まで何度も探した。
「落ち着け、落ち着け。きっとあの人が見つけてくれて親切に落とし物預かり所に届けてくれたんだ」
そう思い僕はこの世の終わりを迎える人の様な顔で落とし物預かりセンターを訪れた。
僕「すみません、長財布をトイレの個室に置き忘れてしまい戻ったらなくなってたのですが届いていませんか?」
係員「はい。財布はどのような財布ですか?」
僕はその聞き方はもしや届いているのか!と再び希望の光が見え、
僕「革の長財布です。色は濃茶で現金4万円とカード多数入っています」
係員は記帳してある紙をざっとチェックし、
係員「そのような財布は届いておりません。この後もし届きましたらご連絡致しますのでご連絡先教えて下さい。」
ガーン!!期待させやがって〜(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
僕は泣きそうな顔で連絡先を伝えた。
係員「もしかすると交番に届いている場合もありますので、交番も訪ねてみてください」
僕「わかりました。ありがとうございます・・・」
そう言い僕はもう期待もせず一番近い交番へトボトボと向かった。
この時点でもう化粧品店に「また戻ります」なんて言ったことなど頭の隅にも残っておらずそのまま百貨店をあとにした。
「こんな事になるんだったら先に化粧品買っておけば良かった。」
後の祭りです。
交番へ着くと成り行きを説明したが案の定財布は届いておらず、紛失届を提出した。
もし見つかれば連絡するとのことでした。
交番では2人組の10代くらいだろうか。若いギャルっぽい子もいた。
どうやらそのうちの1人がスマホを失くしたようで「どうしよ〜どうしよ〜」と焦っていた。
僕は失くした物は違えど同じ悩みで困っている者同士でなんか変な仲間意識を抱き、心の中で「辛いよね。お互い頑張ろう。きっと見つかるよ!」と勝手に励ましていた。
スマホを失くして焦っている10代のギャルと財布を失くして焦っている30代のおっさん。
現実に戻り「何でよりによって大金を持ってる時にこんな事になるんだ。」
ひどく落ち込んだ。
僕は朝家を出るころ見せた浮かれ具合とは想像もつかないような死んだ声で妻に連絡した。
僕「もしもし・・・財布なくなった。。。」
妻「はっ?何で?どういうこと?化粧は買えたの?」
質問責めです。
僕「何も買ってないよ・・・。よりによって大金持ってる時になくなったよ。」
妻「・・・。とりあえず帰ってきなよ。」
僕「わかった。それじゃあ」
幸いなことに長財布は札しか入らないものだったため、別の小銭入れに小銭を入れていた。
なんとか帰りの電車代はあったので帰ることができた。
さぁ問題はこれからだ。
帰宅すると妻からの猛攻撃を受けた。
僕「ごめんなさい。化粧代は俺の貯金下ろして買うから」
妻「当たり前でしょ」
もう慰めの言葉なんてありません。しいて言うなら最後に頂いた「どんまい」と言う言葉でしょうか。
まぁ仕方ないよね。俺の不注意だし。
もう僕もお金は諦めていました。
「せめて免許証やクレジットカードやキャッシュカードSuicaだけは戻ってきてくれ。」
そう願ったが実際そんなすぐに見つかるはずもありません。
まずはクレジットカード会社とキャッシュカードの銀行に連絡しストップをかけクレジットカードの再発行を依頼した。
会社の上司に連絡して事情を話し、翌日は休みをもらった。
翌日!
まずは免許証の再発行です。今の僕の生活は車なしではできません。
免許センターへ朝一で行き印紙代を払い再発行。
コンディションは最悪なので顔写真もより一層心霊写真のように撮れました。
そしてその後は各銀行へ行きカードの再発行。
駅でSuicaの再発行。(Suicaはデータから定期情報などがわかるためカード代の500円のみで発行できた)
手数料だけで合計1万円は超えました。
どんだけ出費してんだよ!もう泣きそうです。
会社では保険証の再発行をして再び普段通りの生活に戻りました。
二ヶ月後!
忘れかけていた頃、携帯に知らない番号から着信があった。
僕は出ると警察署からの電話だった!
「◯◯警察署です。財布が見つかりました。免許証も入っていたので間違いないと思います」
やっと見つかったーーーー!
いや、でもまてよ。カードも再発行済だし今見つかっても現金以外ただのゴミじゃん。
そう思いつつも後日警察署へ行った。
お決まりの財布の特徴を伝えて財布との久々のご対面!
警察官「中身を確認して下さい」
僕は一目散に現金の存在を確認しようとした。
その時すかさず
警察官「あっ現金は入っていませんでした」
僕「えっ?」
一気に希望がぶち壊れました・・・
僕「そうですか・・・。4万円入ってたんですけどね。」
警察官「・・・。道端の草むらに現金のない状態で落ちていたそうです。」
僕「そうでしたか。ありがとうございます」
僕はなんの効力ももたない多数のカードと雨に濡れフニャフニャにふやけた本革の長財布を手に取り警察署を後にした。
見つかった場所は失くした百貨店からはほど遠い道端でした。
あのトイレで親切に拾ってくれたチャラい系の兄ちゃんが現金を大切に預かってくれ、財布を人目につかないように道端の草むらに置いておいてくれたんですね。
「ありがとう。」
僕は拾ってくれた兄ちゃんに心の中でそう言いながら死んだ魚のような目でなんの効力ももたないカード達にハサミを入れ、乾いてシワくちゃになった本革の長財布を引き出しにしまいました。
「もう長財布なんて使うもんか!!」
そう心に決めて今は二つ折りの財布を使っています。
あっ!妻の化粧品は僕の貯金を下ろしてちゃんと買いましたよ(^_^)v
おわりっ!